○上里町議会議員政治倫理条例
令和3年6月15日条例第15号
上里町議会議員政治倫理条例
(目的)
第1条 この条例は、町政が町民の厳粛な信託によるものであることに基づき、その受諾者である町議会議員(以下「議員」という。)が、町民全体の代表者として誠実かつ公正に職務を遂行し、人格と倫理の向上に努めるとともに、その権限又は地位による影響力を行使して、自己又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な事項を定めることにより、議員の政治倫理の確立を図り、もって公正で民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。
(議員の責務)
第2条 議員は、二元代表制の一翼を担う町民全体の代表者として、自らの役割及び責任を深く自覚し、その使命の達成に努めなければならない。
2 議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれたときには、疑惑の解明に当たるとともに、町民に対し、自らの責任において事実関係を明らかにしなければならない。
(町民の責務)
第3条 町民は、自らが町政の主権者として公共の利益を実現する自覚を持ち、議員に対し、その地位又は権限による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。
(政治倫理基準)
第4条 議員は、町長その他執行機関及びその補助員並びに町が資本金、基本金その他これに準ずるものを出資し、又は拠出している公益法人(以下「出資団体」という。)及び指定管理者(上里町公の施設に係る指定管理者の手続等に関する条例(平成16年上里町条例第13号)第6条の規定により指定されたものをいう。)の役職員(以下「職員等」という。)に対し、その権限又は地位を利用することにより、次に掲げる行為によって、公正な職務の執行を妨げ、又は妨げるような働きかけをしてはならない。
(1) 公共工事の請負契約、業務委託契約及び一般物品納入契約(以下「請負契約等」という。)のあっせん
(2) 職員等の採用、異動、昇任その他人事への関与
(3) 許認可、補助金その他の給付の決定への関与
(4) 前3号に掲げるものの他、公正な職務執行を妨げる行為
2 議員は、その地位を利用して、いかなる金品も授受してはならない。
3 議員は、その地位を利用して嫌がらせをし、強制し、又は圧力をかける行為をしてはならない。また、いかなる場合であってもセクシャルハラスメント等、その他人権侵害のおそれのある行為をしてはならない。
4 議員は、飲食物の供与等社会通念上疑惑を持たれるおそれのある行為をしてはならない。
5 議員は、法令で定める場合及び議会であらかじめ定める場合を除き、町から活動又は運営に対する補助や助成を受けている団体等の役員に就任してはならない。
(町の工事等に関する遵守事項)
第5条 議員が役職をしている企業並びに議員が実質的に経営に携わる企業は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第92条の2の規定の趣旨を尊重し、町及び町が関係する団体が行う請負契約等を締結してはならない。ただし、災害等特別な理由があるときはこの限りではない。
2 前項に規定する「実質的に経営に携わる企業」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 議員が資本金その他これらに準ずるものの3分の1以上を出資している企業
(2) 議員が定期的に報酬(顧問料、住宅、車両その他の便宜供与を含む。)を受けている企業
(3) 議員がその経営方針に関与している企業
(4) 議員が当該企業の役員と同程度の執行力と責任を有する企業
(議員の依頼等に対する記録)
第6条 議長は、議員が行う職員等に対する口頭による要請に対して、日時、要請内容、対応等を記録した文書を作成することを当該職員等の任命権者等に求めるものとする。
(審査請求)
第7条 議員は、第4条又は第5条の規定に反する疑いがあると認められる議員があるときは、3人以上の議員の連書をもって、その代表者から議長に対し、審査を請求することができる。
2 議員の選挙権を有する者(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第22条の規定による選挙人名簿の登録が行われた直近の日において選挙人名簿に登録されている者をいう。)は、第4条又は第5条の規定に反する疑いがあると認められる議員があるときは、議員の選挙権を有する300分の1以上の者の連書をもって、その代表者(以下この条において「町民による審査請求代表者」という。)から議長に対し、審査を請求することができる。この場合において、連書に係る署名は、審査を請求した日前1月以内に行われたものでなければならない。
3 前2項の規定による審査の請求をしようとする者は、審査請求書に第4条又は第5条の規定に反する疑いがあることを証する書類等を添えて議長に提出しなければならない。
4 議長は、町民による審査請求代表者から前項の規定による審査請求書等の提出があったときは直ちに選挙管理委員会に対し、審査請求書に署名した者が選挙人名簿に登録されたものであることの確認を求めるものとする。
5 議長は、前項の規定による選挙管理委員会の確認の結果、第2項に規定する要件を満たしていると認めたときは、その旨を町民による審査請求代表者に通知するものとする。
6 議長は、第4項の規定による選挙管理委員会の確認の結果、第2項に規定する要件を満たしていないと認めたときは、当該審査請求を却下するものとし、理由を付して、その旨を町民による審査請求代表者に通知するものとする。
(政治倫理審査会の設置等)
第8条 議長は、前条第1項又は第2項に規定する請求があった場合、上里町議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、当該審査を付託しなければならない。
2 議長は審査会を設置したときは、速やかに前条第1項又は第2項の規定により審査請求を行った者(以下「審査請求者」という。)及び審査請求をされた議員(以下「審査対象議員」という。)に対し、通知しなければならない。
(審査会の職務)
第9条 審査会は、この条例による議員の政治倫理確立のため、付託を受けた事項について調査し、審議し、及び報告する。
2 審査会は、前項の調査審議を行うほか、政治倫理に関して議長に意見を述べることができる。
(審査会の組織及び委員)
第10条 審査会は、委員7人以内をもって組織する。
2 委員は、社会的信望があり、地方行政に関し識見の高い者のうちから議長が委嘱する。
3 議長は、必要があると認めるときは、議員を委員として委嘱することができる。
4 委員の任期は、委嘱の日から、付託された審査の結果(以下「審査結果」という。)を議長に報告した日までとする。ただし、議員である委員は、その職を失ったときは、その任期を終了したものとする。
5 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(審査会の委員長及び副委員長)
第11条 審査会に委員長及び副委員長を置く。
2 委員長及び副委員長は委員の互選により定める。
3 委員長は、会務を総理し、審査会を代表する。
4 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるとき又は委員長がかけたときは、その職務を代理する。
(審査会の庶務)
第12条 審査会の庶務は、議会事務局において処理する。
(審査会の会議)
第13条 審査会の会議(以下「会議」という。)は、委員長が招集する。ただし、委員長が互選される前に開かれる会議は議長が招集する。
2 会議は、委員の半数以上の出席がなければ、開くことができない。
3 会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
4 会議は、非公開とする。ただし、出席委員の過半数の同意を得た場合は、公開とすることができる。
(審査会の調査)
第14条 審査会は、調査審議を行うに当たり、審査対象議員、審査請求者、識見を有する者等、又は関係人に対し、事情聴取、資料の請求等の必要な行為を行うことができる。
(審査対象者の義務)
第15条 審査対象議員は、審査会から、審査会への出席又は資料の提出を求められたときは、これに応じなければならない。
2 議長は、審査対象議員が審査会の調査に協力しないとき、又は審査会に対し虚偽の報告をしたときは、その旨を公表するものとする。
3 審査対象議員及び関係人は、審査会において、口頭又は文書により意見を述べることができる。
(審査会の報告)
第16条 議長は、審査結果を受けたときは、審査請求者及び審査対象議員に対し、その旨を文書で通知するものとする。
2 議長は、審査結果を議会に報告しなければならない。
(弁明等)
第17条 審査結果について、審査対象議員は弁明書を、審査請求者は異議申立書を、前条第1項に規定する通知を受けた日から14日以内に議長に提出することができる。
2 議長は、審査結果を議会に報告しなければならない。
(議会の措置)
第18条 議会は第16条第2項の規定により審査結果を受けたときは、審査結果及びその概要を公表するものとする。
2 議会は、前項に規定する公表において、前条第1項に規定する弁明書又は異議申立書が提出されている場合は、併せて公表するものとする。
3 議会は、審査結果を尊重し、町民の信頼を回復するために必要な措置を講ずるものとする。
(委任)
第19条 この条例の施行に必要な事項は、議長が別に定める。
附 則
(施行期日)
第1条 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第2条 この条例の施行の際、現に第4条第5項の団体等の役員に就任している議員は、この条例の施行の日から1年間は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該団体等の役員に就任していることができる。
2 この条例の施行後新たに議員に就任した者で、第4条第5項の団体等の役員に就任しているものは、議員就任の日から1年間は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該団体等の役員に就任していることができる。
3 前2項の場合において、議員は速やかに当該団体の名称、代表者の氏名、役職名及び任期を議長に報告しなければならない。
附 則(令和4年3月22日条例第8号)
この条例は、公布の日から施行する。