からだ改革塾~ウォーキング編とは

 埼玉県が健康寿命(健康で自立して暮らせる期間)の延伸と医療費の抑制を目指した「健康長寿モデル」の事業として、上里町ではさらなる健康推進を目指した「からだ改革塾~ウォーキング編」を平成28~30年度の3年間実施しました。

イチオシの成果!

 HDLコレステロールや肝機能検査値が概ね基準値以内であった方の割合が多く、腹部および下腿の皮下脂肪厚が減少していることなどからも、運動(ウォーキング)が習慣化していることが裏づけされています。

歩数の変化

参加者の1日あたりの平均歩数の大きな変化はありませんでした。

 

開始時

参加者平均歩数歩数

平成31年3月までの期間平均歩数

1年目

5,906

6,124

2年目

5,667

5,250

3年目

8,941

8,710

※結果に用いた計測の1回目⇒1年目平成30年8月、2年目平成29年8・9月、3年目平成28年8月、2回目⇒1・2・3年目とも平成31年1・2月に実施した結果。また、1回目、2回目ともにデータがあった方のみ検証対象とした。(以下の項目も同様)

身体測定項目

BMI(体格指数)[体重(Kg)/身長(m)]において、適正範囲(BMI18.5~24.9)の方の割合が概ね増加しています。中でも、やせ傾向にあった方の改善率が高く、また皮下脂肪厚においても男女ともに低下していることから、運動したことによる筋肉量の増加が考えられます。

BMIが適正範囲内(18.5~24.9)の方の割合

 

男性

女性

1回目(%)

2回目(%)

1回目(%)

2回目(%)

3年目

59.3

74.1

64.6

68.8

2年目

100

100

84.8

87.9

1年目

66.7

66.7

84.2

78.9

 2回目で適正範囲内に改善した方の体格別割合

 

やせ(BMI18.4以下)(人)

肥満(BMI25.0以上)(人)

適正化率

[母数の男女比]

37.5%(3/8人)

12.5%(4/32人)

[男性0:女性8]

[男性12:女性20]

腹囲の皮下脂肪厚平均

 

 

 

 

男性

女性

1回目(mm)

2回目(mm)

1回目(mm)

2回目(mm)

3年目

25.7

18.2

20.9

16.7

2年目

24.8

16.5

24.8

16.5

1年目

20.8

16.8

18.7

16.4

下腿の皮下脂肪厚平均

 

 

 

 

男性

女性

1回目(mm)

2回目(mm)

1回目(mm)

2回目(mm)

3年目

6.4

5.4

11.2

10.4

2年目

6.1

4.8

6.1

4.8

1年目

6.08

6.08

11.1

11.4

測定項目の変化

 長座体前屈の結果が向上しています。ウォーキングを日頃行うことにより、柔軟性が向上していることが考えられます。                          

長座体前屈の平均

 

 

 

 

男性

女性

1回目(cm)

2回目(cm)

1回目(cm)

2回目(cm)

3年目

28.5

34.9

34.1

39.8

2年目

27.0

30.4

27.0

30.4

1年目

42.5

45.3

37.8

37.7

血液検査項目

 下表、色のついた項目において改善がみられました。

 2年目以降において改善項目が多く、運動を継続することによって血液検査の数値改善に繋がったと考えられます。

 

1年目

2年目

3年目

男性(%)

女性(%)

男性(%)

女性(%)

男性(%)

女性(%)

中性脂肪基準値

(150mg/dl)以下

75.0
⇒75.0

79.5
⇒66.7

100.0
⇒71.4

81.8
⇒84.8

70.0
⇒56.7

79.2
⇒72.9

HDL-C基準値

(40mg/dl)以上

100.0
100.0

100.0
⇒97.4

100.0
100.0

100.0
100.0

93.3
100.0

95.8
⇒97.9

LDL-C基準値

(119mg/dl)以下

75.0
⇒75.0

44.7
⇒46.2

57.1
⇒57.1

51.5
⇒87.9

86.7
⇒80.0

54.2
⇒52.1

HbA1c基準値

(5.9%)以下

75.0
⇒75.0

76.3
⇒87.2

71.4
⇒85.7

84.4
⇒78.8

62.1
⇒66.7

69.6
⇒59.6

GOT基準値 

(30U/I) 以下

75.0
⇒75.0

94.9
⇒94.9

85.7
⇒85.7

90.9
⇒97.0

86.6
⇒80.0

93.8
⇒93.8

GPT基準値 

(30U/I) 以下

100.0
⇒50.0

92.3
⇒92.3

71.4
⇒85.7

97.0
100.0

73.3
⇒83.3

93.8
⇒97.9

γ-GTP基準値(50U/I) 以下

75.0
⇒75.0

92.1
⇒87.2

100.0
100.0

97.0
⇒97.0

86.6
⇒90.0

95.8
⇒93.6

医療費の変化

 国保加入者の医療費を比較しました。

 1年目、2年目の参加者と非参加者との比較では、徐々に一人当たり月平均医療費の差が大きく開きました。(平成30年度最大で1年目13,854円、2年目14,968円)。本事業へ参加したことで医療費が抑制されたことが考えられます。

 3年目の参加者と非参加者の医療費は、非参加者の方が少ない状態が続いていましたが、平成29年2月~平成30年1月を境に参加者の医療費が改善傾向にあり、平成30年1月~12月の時点で非参加者の医療費を下回る形に好転しました。

 

1人あたりの月平均医療費の参加者と非参加者の差(国保連合会の集計より)

 

実施前(円)

平成30年1月~12月の期間の差(円)

3年目

6,523

169

2年目

1,549

14,735

1年目

172

7,983

生活習慣の変化

事業参加半年後(平成30年7月と平成31年1月の比較)のアンケートの生活習慣の変化では、「運動・日常生活の習慣」について、「よくなった」または「ややよくなった」と回答した方は73.1%であり、食生活(62.9%)、睡眠・休養(52.1%)の項目と比べ、改善したと回答した方の割合が高いという結果になりました。

また、運動している日数として一番回答の多かった日数が、女性において1日→4日に増加したため、運動習慣としてコンスタントに行えるように身についてきていると考えられます。             

お問い合わせ

  保健センター    TEL:33-2550