埋蔵文化財である遺跡には、地下に埋もれた住居跡・古墳・城館跡などの遺構と、土器・石器・埴輪などの遺物があります。 こうした遺跡は、その地域の歴史を知るための貴重な資料であるとともに、日本の歴史を解明する上で重要な価値を有する“国民共有の財産”でもあります。そこで遺跡も含めた貴重な文化財は失われるのを防ぐために、国が定めた文化財保護法によって守られています。文化財保護法(以下 「保護法」)第93条第1項の「周知の埋蔵文化財包蔵地」の範囲内で住宅や道路等の建築・土木工事を行う場合には、同法に基づいた手続きが義務づけられています。

上里町には現在152ケ所の遺跡があります。上里町教育委員会では、これらの遺跡を保護するために埋蔵文化財包蔵地地図(遺跡地図)を作成して、町内で建築・土木工事等を行う事業主に対してその周知をはかるとともに、事業を行う際に遺跡の保護のために必要な指導を行い事業主に協力を求め、遺跡の保護に取り組んでいます。

1.照会・確認

上里町内において建築・土木工事等を行う場合には、計画策定段階に事業地内が周知の埋蔵文化財包蔵地(遺跡)の範囲内なのかどうかを上里町教育委員会(郷土資料館・出土文化財管理センタ-)で確認してください。

369-0306 埼玉県児玉郡上里町大字七本木70番地
上里町出土文化財管理センタ- Tel 0495-33-2682   Fax0495-34-0630

埋蔵文化財の所在及びその取り扱いについて(照会)(WordPDF

2.埋蔵文化財包蔵地に該当する場合

1 届出

建築・土木工事等を予定している事業区域が埋蔵文化財包蔵地の範囲内に入る場合には保護法第93条第1項に基づき届出及び別記を着手の60日前までに上里町教育委員会に2部提出してください。

  • 埋蔵文化財の〔届出・通知〕について(保護法第93条第1項)(WordPDF
  • 埋蔵文化財の〔届出・通知〕について(別記)(WordPDF

2 確認調査

上里町教育委員会では、この届出に基づき試掘調査(遺跡の存在や内容を把握するために行う部分的な発掘調査)や過去の調査の記録から発掘調査が必要かどうかを確認します。この結果を上里町教育委員会の意見書として保護法第93条第1項の届出に添付して埼玉県教育員会へ進達します。 

  • 1)試掘調査
    試掘調査は実施までに準備期間が必要です。「試掘調査依頼書」及び「土地所有者の承諾書」を提出の上、協議をお願いいたします。この他に保護法第93条に基づいて、上里町教育委員会の判断で試掘調査を行う場合があります。
    •  試掘調査依頼書(WordPDF
    • 土地所有者の承諾書(WordPDF
  • 2)試掘調査の方法
    試掘調査は事業地内に試掘溝(トレンチ)を掘り、遺物の分布状況や遺構の存在・種類等
    を確認し、遺跡の現状を記録します。
  • 3)試掘調査費用・期間
    試掘調査にかかる費用については上里町教育委員会の負担で行いますが、事業者に協力を求める場合があります。期間については、事業区域の面積や状況にもよりますが、概ね1日~1週間程度です。
  • 4)試掘調査の結果
    試掘調査の結果、遺跡の存在が確認され予定されている建築・土木工事等が遺跡に影響を与える恐れがある場合には、計画変更等によりその遺跡の「現状保存」が可能かどうか協議します。「現状保存」の方法としては、試掘調査の結果に基づき、遺構のない部分で事業を行うほか、掘削が遺跡の確認された深さまで及ばない場合がこれにあたります。
    計画変更等による遺跡の「現状保存」が困難な場合には、通常、遺跡の「記録保存」のための発掘調査を行うことになります。
    こうした協議をふまえて上里町教育委員会では保護法第93条第1項の届出に意見書として添付します。

3 指示

届出に対して、埼玉県教育委員会教育長より保護法第93条第2項に基づく、指示が出されます。

  • 1)発掘調査の指示
     試掘調査で事業地内に遺跡があることが確認され、建築・土木工事等の計画や設計の変更によっても埋蔵文化財に影響を与えると判断される場合には、工事実施の前に発掘調査を行うように指示されます。
  • 2)工事立会の指示
    事業区域が狭く発掘調査の実施が困難な場合などには上里町教育委員会の職員が工事に立会って必要な記録をとります。
  • 3)慎重工事の指示
    掘削が遺跡に影響を与えないと考えられる工事などで、発掘調査や工事立会は必要ない場合、工事が埋蔵文化財包蔵地において行われることを認識の上、慎重に工事してください。
  • 4)その他の指示
    重要な遺跡がみつかった時など別途協議をお願いする場合があります。

4 発掘調査

  • 1)発掘調査費用の負担について
    発掘調査にかかる費用は原則として事業者に負担していただきます。工事立会の際に重要な遺構や大量の遺物が発見され発掘調査が必要になった場合も同様です。 調査費用は現地調査に要する諸経費、報告書作成に要する経費等で、埼玉県埋蔵文化財発掘調査積算基準を参考にして算出されます。
  • 2)発掘調査の期間について
    1. 事業区域面積
    2. 建築・土木工事等の規模
    3. 試掘調査の結果から考えられる遺跡の規模
    4. 遺跡の種類(集落、古墳等)
    5. 遺跡の時期(旧石器、縄文、弥生等)  
      を考慮し、協議を行った上で決定します。
  • 3)発掘調査の調査組織の設立
    事業者が発掘調査の手段を用意できない場合には、上里町教育委員会との協議により調査組織を設立することになります。 上里町教育委員会は、調査組織に対して調査期間中、必要な指導を行います。
  • 4)発掘調査の届出の提出
    事業者と調査主体者の間で契約が成立した段階で、保護法第92条第1項の発掘調査の届出を調査主体者から埼玉県教育委員会教育長宛に行います。この届出は発掘調査の着手の30日前までに行うことが義務づけられています。
  • 5)発掘調査の実施
    発掘調査は現地での調査とそれを整理して調査の結果を報告書にまとめ、それが刊行された時点で終了したことになります。
  • 6)出土品の帰属・保管について
    発掘調査により出土した土器・石器等の出土品は、遺失物法の適用を受けることになります。調査により出土品は、調査主体者から所轄の警察署長に埋蔵物発見届を提出することにより、現物の差し出しとして取り扱われます。
    また、出土品は調査主体者が埼玉県教育委員会に保管証を提出して保管します。
    届出を受けた警察署長は公告の手続きをとり、所有者が判明しないときは保護法第106条第1項により所有権は埼玉県に帰属します。県は文化財の所有権を埼玉県文化財保護条例により、発見された市町村に帰属させることができます。

埋蔵文化財包蔵地に該当しない場合

建築・土木工事等の予定地が、周知の埋蔵文化財包蔵地の範囲内に入っていない場合には、保護法に基づく届出を行う必要はありません。

  1. 工事中に遺跡を発見した場合
    建築・土木工事等に着手した後に、土器・石器等の出土により遺跡を発見した場合には保護法第96条第1項により、その現状を変更することなく、遅滞なく、その旨を埼玉県教育委員会教育長宛に届け出る(発見届)義務が生じます。
  2. 協議
    発見の届出が行われた後、また届出が行われていなくても埼玉県教育委員会教育長は遺跡の保護上必要な指示を行うことができます。上里町教育委員会では届出が行われた時点で、また届出が行われていなくても遺跡の発見の時点で、事業者と発見された遺跡の取り扱いについて協議します。協議の内容は、周知の埋蔵文化財包蔵地内で事業を行う場合と同じです。
  3. 停止又は禁止の命令
    埼玉県教育委員会教育長は発見の届出があった場合、その遺跡が重要で保護のための調査を行う必要があると認めたときは、保護法第96条第2項により土地の所有者・占有者に対して、期間と区域を定めて、現状の変更の停止または禁止を命ずることができます。この命令は、発見の届出が行われていない場合にも出すことができます。