【事例】

 トイレが詰まり、ネットで検索し「詰まり修理220円から」と広告している業者に電話で修理を依頼した。作業員が来て、初めに6千円の高圧ポンプを、次に3万円の便器取り外し洗浄等の作業をしたが直らなかった。最後に「特殊車両での作業が必要。今から会社に電話をかけて車両チャーターと作業を依頼してほしい」と言われ電話した。作業後、代金25万円を請求され支払った。
 しかし、広告の金額からは思いもよらない請求額であったことに納得いかず、クーリング・オフを申し出たところ「改めて電話で依頼を受けているので、広告の依頼とは別の契約だ。クーリング・オフ対象外だ」と言われ困っている。

 

 水回りの修理で、広告には安価をうたいながら、現場で次々と不要な作業を持ち掛け、最終的に高額な請求をする業者への注意喚起をしていますが、消費者にその場で改めて作業依頼を求める業者についての相談が寄せられています。
 「見積もりのために呼んだ事業者にその場で商品を勧誘され契約した」「安価という広告を見て業者を呼んだが、次々と作業や商品購入を迫られ、実際の請求額が広告と大きく異なった」などは、クーリング・オフ等が可能とされています。それに対し「消費者が改めて作業依頼したので、初めとは別の依頼による契約」として、クーリング・オフや解約に応じないケースが見られます。
 トラブルになった場合、クーリング・オフ等が可能かどうかは、契約のきっかけや業者の説明・金額に消費者が納得していたかなど、要因により異なります。トラブルを避けるためにも安易な対応は控えるよう注意が必要です。

【消費者へのアドバイス】

1. 現場で次々と作業を提案される場合は要注意です。また、作業員から「今から改めて会社に依頼の電話をかけて」と求められても、言われるままにしないようにしましょう。
2. 焦らずに金額や作業内容を必ず確認し、納得できなければ作業を断る姿勢が大切です。
3. 最終的に納得できない金額を請求された場合は、作業後でもその場で支払いをしないようにし、すぐ消費生活センターにご相談ください。

消費生活センターへのお電話は、消費者ホットライン「188」へお掛けください。
(くらしの110番 2023年2月)