【事例1】

 一人暮らしの母がカニの電話勧誘を受けて申し込んだ。業者は昔のなじみであると言って勧めてきたようで、母はその業者を悪い人ではないと思い、3万円のカニを申し込んだと言う。明後日に届くらしいが、母もやはり不要だと言うので解約したい。

【事例2】

 独居の母あてに頻繁に海産物が届いている。以前、買い物をしたという店から「新型コロナで不況だ」と泣きつかれて購入しているようだ。母は認知症で、注文したのか、どこの店から送られてくるのか把握していない。届いたらどうしたらよいか。

 海産物の電話勧誘や送り付けトラブルに関する相談が後を絶ちません。「新型コロナウイルスの影響で収入が減って困っている」「以前購入してもらったことがある」と消費者の親切心や同情心、断りにくさにつけ込んだり、「買ってもらわないと困る」という強引な勧誘トラブルや、購入を断ったのに商品が届いたという相談が寄せられています。

 また、一人暮らしの高齢者宅に大量の海産物があるのを家族や見守る方が見つけて不審に思い、消費者センターに相談するといったケースも見られます。

 

【消費者へのアドバイス】

  1. 不要、不審な勧誘はきっぱりと断り、すぐに切電しましょう。また、留守番電話機能を設定し、必要な場合のみ出るなど、迷惑電話防止機能を有効に活用しましょう。
  2. 電話勧誘で購入を承諾したがやめたい場合、法定書面を受け取った日から8日以内であれば、クーリング・オフを行うことが可能です。
  3. 一方的に商品が届いた場合、代金は支払わず、送り主の名称や所在地の情報を控えて、受取拒否をしましょう。受け取ってしまった場合、商品は処分できますが、念のため送り主の名称等をメモしたり、商品の写真を撮るなどして経緯を控えておきましょう。商品代金の請求や弁償を求められても支払う必要はありません。また、支払ってしまった場合は返金を求めましょう。
  4. 高齢者の自宅に見慣れない商品や契約書がある、お金に困っているなど高齢者の様子に異変を感じた際は、すぐ本人に経緯を確認し、消費生活センター等に相談しましょう。

 

 困った時には、お近くの消費生活センター等にご相談ください。消費生活センターへのお電話は、消費者ホットライン「188」へお掛けください。

(くらしの110番 2022年10月)