公的年金等受給者の納税の便宜を図るとともに、市町村における徴収事務の効率化を図る観点から、平成21年度より個人住民税の公的年金からの特別徴収制度が導入されています。

特別徴収の対象者

特別徴収の対象者は、個人住民税の納税義務者のうち、前年中に公的年金等(※1)の支払を受けた者であって、当該年度の初日(4月1日)において国民年金法に基づく老齢基礎年金等(※2)(以下「老齢等年金給付」という。)の支払を受けている65歳以上(以下「年金所得者」という。)とされています。ただし、次の場合は特別徴収の対象になりません。

(1)老齢等年金給付の年額が18万円未満である場合
(2)当該年度の特別徴収税額が老齢等年金給付の年額を超える場合

1 年金は大別して公的年金と私的年金に分けられます。公的年金とは、国などの公的機関が運営するものです。私的年金とは、企業年金や個人が生命保険会等と契約する個人年金です。このうち、「公的年金」と「私的年金のうち企業が退職者に支給する企業年金」などを合わせたものを「公的年金等」といいます。

2 「老齢基礎年金等」とは、「国民年金法による老齢基礎年金」、「旧厚生年金保険法による老齢年金」、「旧国家公務員等共済組合法等・旧地方公務員等共済組合法等・旧私立学校教職員共済組合法による退職年金」などです。

特別徴収の対象税額

特別徴収の対象税額は、公的年金等の所得から計算された個人住民税のみとなります。したがって、公的年金等以外の所得(不動産所得など)から計算された個人住民税は、公的年金からの特別徴収の対象となりませんので、普通徴収等で納めていただくことになります。
また、公的年金の所得のほかに給与所得があり、給与からも特別徴収となっている場合の均等割額については、公的年金からではなく、給与からの特別徴収となります。一方、所得割額については給与所得から算出した税額を差し引いた残りの税額が、公的年金からの特別徴収となります。

特別徴収の対象年金

特別徴収の対象年金は、老齢等年金給付とされています。障害年金・遺族年金は、個人住民税の特別徴収の対象になりません。
なお、2か所以上から老齢基礎年金等を受給されている場合は、その受給の多少に関わらず、地方税法の定める優先順位により、その1か所が特別徴収の対象となります。

特別徴収が停止(中止)される場合

年金保険者に税額通知発送後、または特別徴収が開始された後に次のような事由が生じた場合は特別徴収が停止(中止)されます。

(1)上里町の介護保険料が特別徴収されないとき
(2)上里町を転出し、上里町の介護保険被介護保険者でなくなったとき
(3)特別徴収されている方が死亡したとき(その場合の普通徴収の納税通知書は、相続の対象となる親族の方に送付し  ます。)
(4)所得税の確定申告、住民税の申告等により、税額が変更となったとき(期限後申告や所得税の更正の請求、修正申告など)
(5)公的年金等支払者からの再裁定による支払金額等の訂正通知により、所得額および所得控除額の変更により税額が変更になったとき<
(6)公的年金等支払者から年金の差止や失権により公的年金自体が停止したとき 等

特別徴収をすることができなくなった場合は、残りの税額は普通徴収の方法で納めていただくことになります。なお、平成28年10月1日からの改正で、(2)、(4)、(5)のケースが一定の要件の下、特別徴収が継続されることとなりました。

(改正内容)

上里町外に転出した場合における特別徴収の継続

特別徴収されている方が町外に転出した場合において、転出した日の属する年度中については、特別徴収が継続されることとなりました。

(改正後の具体的な取扱い)

1月1日から3月31日までに転出した場合 4月1日から12月31日までに転出した場合
10月の特別徴収から中止されます。
特別徴収が継続されます。

税額が変更された場合における特別徴収の継続

特別徴収の対象となっている方の税額が変更された場合において、特別徴収が継続されることとされました(毎年12月10日までに変更された場合に限ります) 。

(改正後の具体的な取扱い)
12月10日以前に税額が変更された場合 12月11日以降に税額が変更された場合
特別徴収が継続されます。
特別徴収が中止されます。

徴収の方法

新たに特別徴収の対象となった特別徴収対象年金所得者や、前年度中に特別徴収が停止(中止)された方の場合

当該年度の10月から翌年3月までの間においては、公的年金等の所得から計算された住民税額の2分の1に相当する額を老齢等年金給付から特別徴収の方法により徴収します。当該年度の4月から9月までの間は、公的年金等の所得から計算された住民税額から10月から翌年3月までに間に徴収すべき額を控除した額を普通徴収の方法により徴収します。

(計算例) 公的年金等の所得から計算された住民税額が当該年度60,000円の場合

徴収方法
普通徴収
特別徴収
期別・徴収月
第1期(6月)
第2期(8月)
10月
12月
翌年2月
徴収税額 当該年度の10月から翌年3月までの間に徴収すべき額を控除した額 公的年金等の所得から計算された住民税額の2分の1に相当する額
15,000円
15,000円
10,000円
10,000円
10,000円

前年度から引き続き特別徴収対象年金所得者

当該年度の4月から9月までの間においては、前年度分の個人住民税のうち前々年中の公的年金等の所得から計算された住民税額の2分の1に相当する額を老齢等年金給付から特別徴収の方法により徴収します(仮徴収())。10月から翌年3月までの間においては、公的年金等の所得から計算された住民税額から当該年度の4月から9月までの間に徴収すべき額を控除した額を老齢等年金給付から特別徴収の方法により徴収します(本徴収)。

平成28年10月から仮特別徴収税額(4月、6月、8月に支給される老齢等年金給付から差し引かれる税額)と特別徴収税額(10月、12月、翌年2月に支給される老齢等年金給付から差し引かれる税額)の不均衡を解消するため、仮特別徴収税額の計算方法が改正されました。

(改正内容)

各徴収月の仮特別税額

改正前
改正後
前年度の2月と同額 前年度の公的年金等の所得から計算された住民税額÷6

(計算例) 公的年金等の所得から計算された住民税額が当該年度66,000円、
前年度60,000円の場合

徴収月
仮特別徴収税額(仮徴収)
特別徴収税額(本徴収)
4月
6月
8月
10月
12月
翌年2月
徴収税額 前年度分の個人住民税のうち前々年中の公的年金等の所得から計算された住民税額の2分の1に相当する額 当該年度の公的年金等の所得から計算された住民税額から仮徴収額を引いた額を控除した額
10,000円
10,000円
10,000円
12,000円
12,000円
12,000円