税務署へ提出された確定申告の内容は、その後、町役場での住民税額の計算に用いられるほか、様々な行政サービスに活用されるため、正しく確定申告をしていただく必要があります。誤った確定申告をした結果、税の計算や各種行政サービスの判定が適切に行われず、負担が大きくなってしまうことがあります。

 はじめての確定申告を考えている方は、実際に申告する前に、確定申告の内容についてよく確認の上、早い段階でのご準備をお願いします。

 以下は、確定申告について基礎的な事項をまとめたQ&Aです。ぜひご活用ください。

 

 

Q. 確定申告ってなに?

Q. 所得税ってなに?

Q. 確定申告と年末調整の違いは?

Q. 確定申告義務がある人はどんな人?

Q. 確定申告の義務はないけど確定申告する場合はある?

Q. 所得税はどう計算される?

Q. 控除額ってなに?

Q. 医療費控除は医療費が戻るのではないの?

Q. 確定申告は追加したい収入や控除だけを申告すればいいの? 

Q. 確定申告はどこへ申告するの?

Q. 確定申告はどうやって申告するの?

Q. 確定申告にはどんな書類が必要なの?

 

 

Q. 確定申告ってなに?

A. 確定申告とは「所得税」の金額を計算して国(税務署)へ申告する手続です。

 

 前年の1月1日から12月31日の1年間に得た所得に対して所得税を計算し、3月15日(土日祝の場合は次の平日)までに税務署へ納付します。1年間で先に天引きされていた所得税(源泉徴収税)がある方は、その所得税が引かれすぎていたら還付され、足らなかった場合はさらに支払う必要があります。

 

 

Q. 所得税ってなに?

A. 個人の所得に対してかけられる国の税金です。

 

 同じように個人の所得に対してかけられる税金に個人住民税(町・県民税)がありますが、これは町や県の税金です。

  • 国税:所得税、法人税、相続税 など
  • 県税:県民税、事業税、自動車税 など
  • 町税:町民税、固定資産税、軽自動車税 など

 

 

Q. 確定申告と年末調整の違いは?

A. 確定申告は本人が所得税を計算し、年末調整は勤務先が所得税を計算します。

 

 年末調整は本人の代わりに勤務先が給与に対する所得税を計算し、年末に精算してくれる制度です。天引きされていた所得税(源泉徴収税)が引かれすぎの場合は還付し、足らなかった場合はさらに徴収して、勤務先が確定した金額を税務署へ支払います。

 

 

Q. 確定申告の義務がある人はどんな人?

A. 収入の種類によって異なります。

 

  • 1年間の給与収入が2,000万円を超える方
  • 年末調整された給与以外に20万円を超える所得がある方
  • 給与収入が年末調整されていない方
  • 1年間の公的年金等の収入が400万円を超える方
  • 公的年金等の収入以外に20万円を超える所得がある方
  • 事業所得や不動産所得がある方

 など

※確定申告の義務がない場合でも、町への住民税申告が必要な場合があります。

 

 

Q. 確定申告の義務はないけど確定申告する場合はある?

A. 確定申告の義務がない方でも、確定申告したことにより天引きされていた所得税(源泉徴収税)が還付になるなど、有利になる場合があります。

 

  • 年末調整された給与へさらに控除を追加したい方
  • 年末調整できない控除(医療費控除など)を申告したい方
  • 公的年金等へさらに控除を追加したい方

 など

 

 

Q. 所得税はどう計算される?

A. 簡単な考え方は以下のとおりです。

 


収入金額-必要経費=所得金額

所得金額-所得控除額=課税所得金額

課税所得金額×税率-税額控除=税額

※給与や公的年金等は収入から必要経費を引かず、代わりにそれぞれの計算式で算出した給与所得控除額、公的年金等控除額を差し引いて所得金額を設定します。

 

 

Q. 控除額ってなに?

A. 控除額とは税金の計算において差し引かれる金額のことです。

 

 控除額には大きくわけて「所得控除」と「税額控除」があります。

  • 所得控除:税率をかける前の課税所得を減らす金額。扶養控除や医療費控除など。
  • 税額控除:税率をかけた後に計算された税額を減らす金額。住宅ローン控除など。

 

 

Q. 医療費控除は医療費が戻るのではないの?

A. 医療費控除は医療費が戻るわけではありません。

 

 医療費控除を申告して戻ってくる金額は、先に天引きされていた所得税(源泉徴収税)の金額と、医療費控除を追加した後の所得税の計算額を比較して、引かれすぎていた差額分の所得税が還付されるものです。したがって、申告によって医療費控除額が返金される制度ではありません。還付される上限額は、先に天引きされていた所得税額までです。また、医療費控除は「税額控除」ではなく「所得控除」のため、申告した額がそのまま税額からは引かれません。

 

 医療費控除は対象として認められるものと認められないものがありますので

 詳しくはをご覧ください

 医療費控除の対象として認められるもの

 

 

Q. 確定申告は追加したい収入や控除だけを申告すればいいの?

A. 原則として、確定申告する場合はすべての収入、すべての控除を申告してください。

 

 確定申告はすべての所得、すべての控除を確定させて行う所得税の精算作業です。すでに年末調整してある給与を申告せずに、追加したい一部の所得や控除のみを申告すると、正しく税額が計算されません。

 

例1:年末調整した給与以外に、副業で30万円の給与収入がある。

→×副業の給与のみ申告する。

→○年末調整した給与と副業の給与を両方申告する。

例2:年末調整した給与に医療費控除を追加したい。

→×医療費控除だけを申告する。

→○年末調整した給与と医療費控除を申告する。

例3:年末調整した給与以外に、副業の給与収入が15万円あり、医療費控除を追加したい。

→×年末調整した給与と医療費控除だけ申告する。

→○年末調整した給与と副業の給与、医療費控除をすべて申告する。

※確定申告の義務が免除される副収入分が20万円を超えていない場合でも、確定申告をする選択をした場合は、すべての収入を申告する必要があります。

 

 

Q. 確定申告はどこへ申告するの?

A. 一般的には住所地を管轄する税務署へ申告します。上里町の場合は本庄税務署です。

 

 住所地のほかに事業所などがある方は、その事業所の所在地を管轄する税務署を選択することもできます。

 

 

Q. 確定申告はどうやって申告するの?

A. 申告方法には「自宅」で申告する方法、「税務署」で申告する方法、「役場申告会場」で申告する方法があります。

 

  • 自宅から申告する方法

 自宅での申告はe-Tax(電子申告)や郵送によって行います。国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」から作成した申告書を電子的に提出するか、印刷して郵送することができます。スマホ申告では、スマートフォンとマイナンバーカードがあれば申告できるようになりました。この方法では時間や場所を問わず申告できます。

 e-Taxホームページ

  • 税務署で申告する方法

 所轄の税務署の窓口で直接申告する方法です。確定申告時期には混雑するため、申告するためには整理券が必要となります。また、確定申告時期でなくとも相談を受付していますが、その場合は事前予約が必要となる場合があります。詳しくは所轄税務署へお問い合わせください。

本庄税務署:☎0495-22-2111(自動音声案内)

  • 役場申告会場で申告する方法

 確定申告時期に臨時で設置される役場申告会場で申告することができます。申告会場で受理した申告は、その後、税務署へ提出されます。申告会場は混雑するため、原則として整理券や事前予約が必要です。詳しくは確定申告時期に掲載される、上里町ホームページ内の記事か広報をご覧ください。注意事項としては、役場の職員で判断ができない申告をされる場合は、税務署を案内する場合があります。

 

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Q. 確定申告にはどんな書類が必要なの?

A. 確定申告に必要な書類は、申告内容によって様々です。

 

必要書類•確定申告書(書面で提出する場合に必要です)
•本人確認書類:マイナンバーカードなど
•所得金額がわかる書類:源泉徴収票や収支内訳書など
•各種控除申請に必要な書類:生命保険料控除証明書や医療費控除の明細書など
•銀行口座がわかるもの(還付金を受け取る場合に必要です)

 書類が不足した場合、申告がその場で完了しないことがあります。実際に申告する前に、申告内容に合わせて必要書類を調べましょう。

 特に、公的年金等の源泉徴収票が不足しているケースが毎年多々見られます。役場での申告の場合はもう一度予約してもらい、再来庁して申告をお願いしています。

 不足している書類は発行元の団体に再発行を依頼するなど、早めにご準備ください。

 

例:Aさんの場合

 会社に勤めており、貸している駐車場の副収入があるAさん。給与の年末調整は済んでいるが、駐車場からの所得が20万円以上ある。また、前年は医療費がかかったため、医療費控除も申告したい。

Aさんの集める必要書類の例

  1. マイナンバーカード
  2. 給与所得の源泉徴収票(年末調整されたもの):会社が発行したもの。
  3. 収支内訳書(不動産所得用):駐車場代金と必要経費(駐車場にかかる固定資産税等)を記載し、所得額を計算したもの。
  4. 医療費控除の明細書:領収書等から1年間にかかった医療費の金額を計算し記載したもの。
  5. 通帳

 

例:Bさんの場合

 会社員でふるさと納税をしているBさん。毎年ワンストップ特例を活用しているため確定申告が不要だったが、去年はある自治体への特例申請を忘れてしまったため、確定申告をしたい。

Bさんの集める必要書類の例

  1. マイナンバーカード
  2. 給与所得の源泉徴収票(年末調整されたもの):会社が発行したもの。
  3. 寄附金受領証明書(ワンストップ特例申請をしていない自治体分)
  4. 寄附金受領証明書(ワンストップ特例申請をしている自治体分)
  5. キャッシュカード

※特例申請をしている自治体でも、確定申告をするとワンストップ特例が無効になります。すべての自治体分を申告してください。

 

例:Cさんの場合

 前年中に会社を退職したCさん。年末調整をしてもらえないため、確定申告をしたい。普段の年末調整では、生命保険料控除、地震保険料控除を申告している。また、前年は退職後に国民健康保険税の支払いがあった。

Cさんの集める必要書類の例

  1. マイナンバーカード
  2. 給与所得の源泉徴収票(年末調整されてないもの):退職した会社が発行したもの。
  3. 生命保険料控除証明書:加入している保険会社が発行したもの。
  4. 地震保険料控除証明書:加入している保険会社が発行したもの。
  5. 国民健康保険税の領収書:納税通知書に同封された納入書を使用したときにもらった領収書。
  6. 口座番号連絡書:銀行のホームページからダウンロードしたもの。