「消滅可能性自治体」という言葉をご存じですか?若年層の流出や人口の減少・少子化によって、存続することができなくなり、最終的には消滅の可能性がある市区町村のことです。10年前、「日本創成会議」によって提起された問題です。こうした自治体に該当するのは、2010年から2040年にかけて、20〜39歳の若年女性人口が半分以下に減少する市区町村とされています。
問題が発生する主な原因は、日本全体として人口が減少していることです。日本の総人口は、2050年頃には1億人を下回ると予測されています。そうした中で、特に若年女性人口が減れば、生まれてくる子供の数も減少する悪循環に見舞われ、当然、消滅の恐れがある自治体が生じることになります。
また、地方から都市部へ人が移動し、都市圏に人口が集中することは、戦後から続く傾向であり、もう一つの原因と考えられます。
人口が著しく減少すると、地方はどうなるでしょうか。人口流出に伴い企業も減り、税収が落ち込むことで、自治体は財政難に陥ります。公共交通機関・公共施設やインフラ整備など多くの部分で弊害が発生し、住民にとって大きな負担が生じます。人口が少なくても、最低限の財政確保は必要になるため、一人当たりの税負担は重くなるでしょう。「人口が減る→企業が減る→税収が減る→社会インフラが弱くなり、住民に課せられる税金は重くなる→人口や企業の減少が加速する」という悪循環が待ちうけます。
「日本創成会議」は、自治体の消滅を回避するには、少子化対策と東京一極集中対策を同時に行う必要があるとしています。
未来に向け、町の強みを最大限に生かして、企業や人に選んでもらえるよう、町を挙げて取り組むことが不可欠です。それにより得られる活力を、子育て支援や健康長寿の実現などに生かし、町民一人一人の暮らしに寄り添った町づくりへつなげていきます。