国の統計では、日本の人口は平成20年にピークを迎え、その後は人口減少社会に突入しており、これに伴い、労働力の不足や需要の減退による土地価格の下落など、大きな社会課題が指摘されています。
 町では、こうした背景を踏まえ、2月に「まちなか再生ワークショップ」を開催しました。テーマは、「みちの使い方を考える」と「まち全体の使い方を考える」で、東京藝術大学の藤村龍至准教授に進行の調整役を務めていただきました。約20名の方が参加し、町民による、町民のためのまちづくり、言わば「町の未来図づくり」に熱心に取り組まれました。議論の中では、昨年3月に神保原駅周辺の将来像の実現に向けて策定した、「神保原駅北まちづくり基本計画」も参照しながら、想定される沿道の土地利用などについて現状と課題を共有しました。
 かつて、神保原駅北は、養蚕業の発展や駅の開業により様々な商店が立ち並び、にぎわいのある町の中心市街地でした。しかし、近年の少子高齢化の進展や暮らしの多様化、時代の経過に伴う土地利用の変化などによって市街地が空洞化し、当時の街並みからは様変わりしています。そのような中、再び駅周辺に活力を取り戻すため、空き家・空き地といった地域資源を活用したにぎわいの創出や、安全性向上のための道路整備、歩きたくなる空間づくりなど、市街地環境の改善や利便性の高い居住環境の整備が求められています。
 地域の特性を生かした、個性豊かで特徴あるまちづくりを進めるためには、町民の皆さまはもとより、事業者や関係機関などとの連携が不可欠です。これまで、まちづくり発起人やまちづくり協議会委員の皆さまをはじめ大勢の方から、さまざまな場面で貴重なご意見やご提言をいただき、心から感謝申し上げます。
 今後も、皆さまのご理解・ご協力をいただきながら、住んでよかったと実感できる、にぎわいのある町の再生に力を尽くしてまいります。