皆さんご存じでしょうか?埼玉県公式観光サイト「ちょこたび埼玉」に、当町の観光スポットとして、「神流川古戦場」のコーナーがあります。関東最大の野戦「神流川合戦」跡地を中心に、このはなパーク、上里菅原神社などが周辺の見どころとして紹介されています。
 今回は、歴史上の人物「織田信長」とゆかりの深い、この「神流川合戦」に着目したいと思います。開戦のきっかけは、天正10年(1582年)6月2日の本能寺の変が大きく影響しているようです。同年6月18日から19 日を中心に繰り広げられたこの戦いは、戦国時代における関東最大の野戦と言われています。

 史料によると、織田信長の家臣として上州と信州の一部を治めていた滝川一益と、相模国を中心に関東南部を所領としていた北条氏邦・北条氏直が争いました。長年の夢であった関東の地の覇者(はしゃ)を目指す小田原の北条氏と、その野望を食い止めようとする群馬の滝川氏により、上武(群馬県・埼玉県)の境である神流川流域から烏川で繰り広げられた合戦として知られています。

 史料や地形・史跡・伝承から、本合戦を読み解いてみると、勝利した北条氏により交通路が整備されました。一方で、戦火にさらされた城館や寺は、神流川流域東側の町内に多数点在しています。また、小字名「勝場」は北条氏が勝ちどきをあげた場所と言われており、伝承地や地名は各地に残っています。
 合戦にまつわる地形・史跡・伝承を感じられる景観も変わりつつあります。地図を片手に古戦場などの散策をしてみたいものです。
 先月には、さまざまな地域の魅力を広く発信できるよう、町観光協会が発足しました。将来、歴史資源を巡る観光ツアーガイドの誕生を夢見ているのは私だけでしょうか。